8月30日 マッカーサー進駐記念日
1945年のこの日、敗戦した日本に連合国日本占領軍最高司令官のダグラス・マッカーサーが厚着飛行場に到着した日とのことです。
マッカーサーというと私の中では漫画「はだしのゲン」で出てくるマッカーサーのビジュアルが思い出されます。軍服とサングラスとパイプを持てばたちまちマッカーサーですね。
今回は戦争漫画の話
私が今まで見た戦争漫画の中で印象に残った作品を3つ紹介していきたいと思います。
はだしのゲン
~あらすじ~
物語は、広島県広島市舟入本町(現在の広島市中区舟入本町)に住む国民学校2年生の主人公・中岡元(なかおか げん “以下、ゲン”)が、当時日本と交戦していたアメリカ軍により1945年8月6日に投下された原爆で、父・大吉(だいきち)、姉・英子(えいこ)、弟・進次(しんじ)の3人を亡くしながらも、たくましく生きる姿を描く。
この作品は学校の図書館なんかに置かれていることが多かったのではないでしょうか?
私もその口で、当時小学校5年の時の担任教師が自前の本を教室に陳列して好きに読んでいいとのことで手に取ったのが最初です。
それまで私は戦争の歴史をちっとも知らず、たまに祖父母が話す空襲警報の話や火垂るの墓などで見たB29の焼夷弾というものが落ちてくるということくらいでしか知らず原爆という存在を知りませんでした。
本作では1巻の後半で主人公中岡のいる広島県に原爆が落とされるところから原爆の恐ろしさがわかるようになっていきます。
当時は大変衝撃的な作品でした。本当にこんなものが日本に落ちてきたのか、そして生き延びた人達はこんなにも苦しみながらも耐え抜いて生活していたのかと。
たまにひょうきんなシーンもありますが、序盤から中盤にかけてはとてもシリアスで読むのが辛くなる場面も多くあります。
後半は後半で戦後の動乱を生き抜くためのストーリーになってくるのでそれはそれで辛いですか。
読みやすい絵柄でもあるのでおすすめの作品です。
あとホームページが2000年代当時に見つけてから相変わらず奇抜で面白いです。どういうセンスしてんだこれ…
http://www.kamatatokyo.com/home.html
アドルフに告ぐ
~あらすじ~
1983年、イスラエル。1人の日本人男性がひっそりと墓地の一角に佇み、ある墓の前に花を供えた。彼の名は峠草平。40年前、3人の「アドルフ」に出会い、そしてその数奇な運命に立ち会うことになった彼は、全ての終わりを見届けた今、その記録を1冊の本として綴ろうとしていた。
物語は群像劇のような形式で冒頭の語り部の峠草平と日独のハーフのアドルフ・カウフマン、そしてユダヤ人のアドルフ・カミルによってヒトラーの出生をキーワードに進展していきます。
この作品ではナチスによるユダヤ人の差別が色濃く描写している点にも注目ですが、個人的には戦後の描写が印象に残っています。
第二次世界大戦終結後、ユダヤ人たちはイスラエルに入植していき、その周辺国と戦い続けます。
現在のイスラエルなどの中東のテロ問題の根幹につながる歴史はこの作品で知りました。
日本の戦後ばかりしか当時知らなかったため、こういった経緯でイスラエルができたということを知れる良い作品でした。
全体のストーリーもしっかりとしており、さすが手塚治虫と言わせられるような作品になります。
紙の砦
~あらすじ~
昭和19年、出版統制令が出され、限られたものしか出版を許されない時代。絵などを描いていること自体裏切り者と言われる中、美術部に所属する大寒鉄郎はコッソリとマンガを描いていたが、軍事教練で教官に睨まれ特殊訓練所に送られ、さらに軍需工場へ勤務動員される。工場でも人目を忍んでマンガを描き続ける大寒鉄郎。
偶然知り合ったオペラ歌手志望の岡本京子と工場で再会するが、大阪大空襲で工場は爆撃を受け、岡本京子は顔にひどい怪我を負ってしまう。
こちらは短編になりますが、漫画家手塚治虫の経験を元に大阪起きた戦争の悲惨さを描いた作品になります。
軍人によるむごいしごきや満足に絵を描けない主人公の鬱屈した気持ちやヒロインの岡本京子への憧れなど等身大の若者の感情をうまく描いています。個人的に印象に残っているシーンは物語終盤で戦争が終わり、平和が戻ったことが象徴される夜の街に灯りがつくところです。
主人公はこの灯りを見て本当に戦争が終わったことを確信したコマは自分の心に残る場面でした。
うーんこう見ると意外と戦争漫画って見たことないのかもしれませんね。
調べてみると「この世界の片隅に」を読みましたが、戦争の悲惨さをしっかり描写していますが、上で書いた作品に比べると少し弱かったのでランクインされませんでしたね。あとはこれを読んだ年齢もあるかと思います。
上記で挙げた作品はすべて私が少年・学生時代に見た漫画です。若いうちに何も知らない、歴史も勉強していない頃に「はだしのゲン」なんか見たらそれはそれはインパクト満点です。
それから歴史を学び、作品で語られる世界観の背景などを知ってくると戦争の悲惨さも確かに伝わるのですが、大人になるにつれてみるところとか感性が変わってしまったのか昔ほど衝撃的に思える作品は無くなってきました。
それでもまだまだ読むべき名作はいっぱいありますからゆっくり読み続けていきたいなと思います。
それでは、また。